DENIM WORKS®・のグラフィックデザイン「金属活字」篇

2014.08.29 Friday

 2014年4月、DENIM WORKS®のブランド・アイデンティティをどうするのか? 新ブランドについての話し合いが始まりました。そこから約半年をかけて、ロゴマークや、ジーンズに付属するフラッシャー(ジーンズのヒップポケットに付けられるペーパーラベルのこと)、ネーム(ジーンズの内側に付けられるブランドの銘を表現するタグ)、革パッチ(ジーンズの右後ろ、ベルトループ近くにある紙や革でできたラベルのこと)、品質表示などのデザインを検討してきました。
 アートディレクターには「良質であること」「ハンドメイドであること」「スタイリッシュになりすぎないこと」を前提としてブランディングを依頼し、店頭や展示会での商品陳列でも同様のグラフィック展開ができるようにツールを開発。ロゴマークが決定したのは今年の6月(ロゴマークについての話は後日このブログでご紹介します)、並行して上述の各種デザインやカタログ、ウェブサイトを制作してきました。

 それらグラフィックツールのデザインの核となるのが、ブランドが指定して使用するタイポグラフィ(書体やフォントのこと)です。近年、海外の展示会での出品が増え、DENIM WORKS®のブランド・アイデンティティも海外対応を条件とすることが求められました。DENIM WORKS®のジーンズは、倉敷市児島の自社工場で丁寧に作られた、ハンドメイドによる逸品です。「Made in Japan」と銘に刻むからには、その英語のタイポグラフィも「日本製」にこだわりたい。依頼されたアートディレクターには、そんな動機があったそうです。

 近年のグラフィックデザインはパソコンで作られる完全データ内での組版が主流であり、英語に関しては日本語書体よりはるかに歴史のあるフォントが圧倒的な種類で存在します。これはジーンズをとりまく環境でも似たところがあります。国産ジーンズが登場した当時は、当然ながらコンピューターによるパターン制作や生地の裁断は存在しませんでした。しかし、量産品と異なるオーダージーンズを作るには、その昔の技術が必要だったわけです。オーダーメイドによるジーンズの工程も本サイトで紹介していますので是非ご覧になってください。では、国産ジーンズが登場した当時、日本国内ではどのように英語を使ったデザインをして、ジーンズの付属ツールをつくっていたのでしょうか?


 話がもどりますが、DENIM WORKS®が指定する英語書体は、1970年代当時の金属活字を採用しています。写真の金属活字にアートディレクターが出逢ったのは今年の5月。それは今は既に廃業してしまった倉敷市児島のアパレル会社の倉庫に眠っていたものでした。30年以上前までは、その会社で手作業で組版し、社内で実際にネームや品質表示を刷っていたようです。DENIM WORKS®で使われる英語はその金属活字を実際に使い、一文字一文字、手作業で組版していったものを展開しています。文字間の調整のことを考えると、時代遅れの組版作業は現代のフォントには及ばず、膨大な作業時間を要するわりに、綺麗で読みやすいタイポグラフィだとは決していえません。
 しかし、DENIM WORKS®が伝えたかったのは本当の「ジャパニーズ・ハンドメイド」であるということ。DENIM WORKS®のサービスや商品は、熟練の職人たちによる、約半世紀の伝統から受け継いだ技術に支えられている、ということをブランド・アイデンティティでも表現していこうと決めたわけです。

 DENIM WORKS®のジーンズに触れる機会がありましたら、ジーンズにまつわる小さなツール類もご覧になってみてください。またいっそう、ジーンズに愛着を持ってもらえると思います。



facebookPinterestTumblr